TAO | TAX & CONSULTING - OFFICE LOUNGE _ FUJISAWA
TAO税理士法人オフィスラウンジ - 藤沢/神奈川
税理士事務所の移転に際した、新装のプロジェクト。フロア面積は従前より拡大――執務スペースにデスクが増え、会議室数をプラスし、新要素である「ラウンジ」が加わった。「ラウンジ」は、訪問者用のアプローチ/エントランスが接続しており、ロビーや会社の顔(イメージ)ともなり得ることから、特色ある“雰囲気”を出している――個々人が業務へ専心する執務スペースと隔て、印象や気分を切替え、ややカジュアルに、心地よく顧客相手や社員同士でコミュニケーションができるとしたスペースで、「木調」「モルタル調」のイメージと併せて、クライアントからの提案/要望である。
以下、「ラウンジ」について――。
テナントビル帰属の一開口――外に大通りを望め、うらうらとした陽が射す大窓――を目掛け、「一方向に貫く空間」を見出した。これを助長するよう、また、これへ規律を与えるよう、木目のラインと壁・天井につくった張出しの形を一斉に、リニアに、「一方向」へと同調させていった。その空間の内へ、貸しスペースの既存形に起因した「平面上の軸的な振れ」や「天井高の段階的な変化(高さ2.00m、2.25m、2.45mから獲得できる最大値2,80mまで)」によって、調子が転じる抑揚を生んだ。また、仕上げの貼り分けで、用途の小差を可視化し、そこはかとなく囲繞感を醸す空間のテリトリーを設えた、……と同時に、それらの境界部や形態の端部に現れる「線(ジョイント)/辺(稜線)」同士が、一連し合って空間中を巡る、という動きも派生させている。
こうしたスペース――色も形も、くっきりとシャープで、やや実法な体――の中に、セレクトした椅子とテーブル――色調やテクスチャーに、シックな明るみと柔らみを含んで、ややカジュアルな体――を展開していった。それら家具によって空洞のスペースを、人が使用/活動するシーンへ、目指すイメージへと、よりリアルに引上げ、点在させた小物も併せて(観葉植物やランプなど)、リビングライクな安らぎや温かさを呼び込んでいる。
信頼・堅実・規律という業務柄の特質を根底に、《明るい方向へ真直ぐに導くサービス姿勢と、安心できる品や温かみをもった気質》の社風を推してみた。そういった感が、上手く形象化され、装いに“雰囲気”として滲み出ていれば、と思うのだ。
TEXT by 田中伸明
TAO | TAX & CONSULTING - OFFICE LOUNGE _ FUJISAWA
(TAO税理士法人オフィスラウンジ)
LOCATION:
FUJISAWA, KANAGAWA (神奈川県藤沢市)
CLIENT:
PROJECT:
意匠(基本設計・実施設計・監理): スタジオ・ニーネ 田中伸明
置き家具・小物(セレクト・コーディネート): スタジオ・ニーネ 眞榮城雅子
施工及び執務スペース内備品: アイクロス