MAR SHOPPING ALGARVE _ FOOD COURT - LOULÉ

マー・ショッピング・アルガルヴ _ フードコート - ローレ/ポルトガル

2017

Project provided from ATELIER NINI ANDRADE SILVA

Food Court
Food Court
Food Court_Lounge
Food Court_Kiosk
Food Court
Food Court
Food Court_Family Area
Food Court_Lounge
Food Court_Lounge
Rest Room_Basin Counter
Rest Room_Powder Corner
Rest Room
Rest Room
Rest Room_Family Room
Rest Room_Basin Counter
Rest Room
Entrance Hall from Parking
 

床から立ち上がった大きな弧は、天井に連続し三次曲面の穹窿(きゅうりゅう)形となって上面を駆ける。それらラインの出すムーブメント、大小の穹窿面が手前と奥で重なりあって展開する遠近、そして弧の稜線によって切り取られる空間の形が、ここに独特の景を生み出している。そんな天井下のスペースは、周囲のモールから若干高く、背の低い壁に取り囲われ、別の空気が包み込んでいる。そこへは、囲われた壁の切れ目にある階段か、緩く伸びるスロープでアプローチすることができる。木とブリックのやわらかな色合い、それとホワイトとの淡いコントラスト。深々とした筒を通過するスカイライトからの太陽光は柔らかく、穹窿天井に反射して拡散する光は、常に中間値の影の強さを作っている。ここは、ポルトガル最南部の地域、外部は強烈で眩しい典型的な南欧の日差しである。それと相克するやわらかな光が包む空間、北欧のものを感じさせる質を持ち込もうとしているのだ。

 

場所はローレ(Loulé)、この都市のあるアルガルヴ地方(Algarve)は、「ビーチと太陽」に価値を置くヨーロッパの人気リゾート地の一つとして夏季には国内外から多くの人々がヴァカンスに訪れる。プロジェクトは、この地にオ-プンする新しいショッピングセンター内にあるフードコートゾーンのデザインを依頼されたものである。クライアントはIKEA Centresで、このショッピングセンターには同社の家具を販売するIKEA storeも隣接する。フードコートゾーンは、面積約4700㎡、21のレストランがあるが、レストランの入るテナントスペースの大方は、すでに決定され、それらを抜いた共用部2850㎡がデザインの対象であった。また、ショッピングや映画館に行き来する人の動線がこのフードコートゾーンと重なることも変えられぬ条件で、人々が落ち着いて飲食をする場をどう設えるかが計画の主なポイントとなった。

 

そこで案出したのが、フロアを周囲の動線より上げることである。スペースはショッピングセンターと連続して一体であるが、他の動線や目的で回(もとお)る人々に干渉されず落ち着いて食事ができるワンクッション隔てたスペースとなる。上げられた床の高さは0.50m、壁の高さは1.50mである。前者は、上がるのに苦のない高さ、緩い階段で4段。後者は、何を食べているかは覗けないが食べている賑わいは見ることができる高さ、これは、ソファの背もたれにも程良い高さともなる。このようなエリアが3カ所存在する。

デザインモチーフは、別のアーキテクトにより既に計画の終わっていたショッピングセンターの建物、それのテーマ「ポルトガルと北欧のテイストが混淆(こんこう)したスペース」に肖(あやか)ることとした。北欧というのは、施主IKEAの本拠地スウェーデンを意味している。ここフードコートには、スカンディナビアンデザインの建物やインテリアや家具に特徴的な、ブリック、曲線、明るい色の木材とホワイト、そして柔らかな光などとして現れる。ポルトガルのものとしては、近くにあるビーチの砂浜にできる風に吹かれて出来上がった砂の小山、Duneが天井の形へ、そしてビーチの砂のような、或はこの地域の伝統的な民家に使用される日干し煉瓦のような、テクスチャと黄色味ある色がブリックという仕上げに反映されている。

 

他に依頼されたエリア、ショッピングセンターの共用トイレにも、同じデザインテーマを持ち込み、ユニークで快適なスペースを目指した。殊に洗面においては一風変わったデザインを試みている。天井から吊り下がる大きな鏡とその中に内蔵された水栓、ソープ、それらは、男女のスペースのしきりでもある。しかし、鏡とカウンターの間は空いていて向こう側と繋がっている。そして、巨大な洗面カウンターは、男女共用で使用するものだ。これは、大きなオブジェクトとしてのインパクトを出すが、本来閉ざされるはずの洗面所がオープンであったり、男女ではっきりと分かれてしまうスペースが何となく溶け合っていたりという、感覚的に少し戸惑い、迷える楽しさがそこにある。

ショッピングセンターという世界のあらゆる都市にあり、同じようなデザインのブランドショップが入る商業スペース。そんな場にあっても、少なからず、その土地でこそ展開できるユニークな空間のデザインが追及できるかと思った。それが、この場の特色あるブランドとなって人々に認知されればと願う

TEXT by NOBUAKI TANAKA

 

MAR SHOPPING ALGARVE _ FOOD COURT

(マー・ショッピング・アルガルヴ_フードコート)

 

LOCATION:

LOULÉ, PORTUGAL (ローレ、ポルトガル)

 

CLIENT:

IKEA CENTRES (イケア・センターズ)

http://www.inter.ikea.com/ 

PROJECT

ATELIER NINI ANDRADE SILVA

(アトリエ・ニニ・アンドラデ・シルヴァ) 

www.niniandradesilva.com/en/

このプロジェクトは、ATERIER NINI ANDRADE SILVAのものであるが、NINIの認許により本ページにて紹介させていただいている。

STUDIO NINÉ田中伸明がアトリエ在席中にメインアーキテクトとしてデザインから監理までトータルに携わったものである。

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Rest Room_Powder Corner